常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853
PL学園で甲子園通算58勝10敗。驚異の勝率.853を誇る中村順司元監督はよく「高校で終わりじゃねえぞ。みんな大学や社会人、プロで長く野球を続けて欲しいんだ」と言っていた。そのため、バットの握り方、捕球の仕方にも基本があり、理にかなった投げ方をすれば故障を回避できると説いていた。そんな中でもキャッチボールは、特に時間をかけて行った。強打のイメージがあるかもしれないが、「野球は守りから」というのが、PL野球の根底にある。
在籍した中学までのチームは「バットを1000回振っておけ」のような感じで、細かい理論を教わった記憶がない。PL学園で野球の基礎を全て叩き込まれた。中村監督にはグラブのはめ方まで指導され、これが衝撃的だった。
はめている手を人さし指から小指までの4本の指でしっかり握ることで、投げる腕にも力を伝えられる。一方でグラブの中の親指に力が入りすぎると、投げる方の肩や肘にも負担がかかるという。
グラブの小指を固定する紐を結ばず、ダラリと垂れ下げている選手がよくいるが、あれはダメだそうだ。なぜグラブには小指を固定する紐がついているのか。小指を固定すれば、指先にしっかりと力が伝わるから。それに、故障の防止にもなる。そのためにも、グラブの紐をしっかりと締めないといけないという。