映画「ルパン三世」北村監督が語るカーチェイス撮影の舞台裏
小栗旬(31)主演の映画「ルパン三世」が8月30日に初日を迎えた。封切り2日間の観客動員数33万5000人と好調のスタートを切った。
「映画監督という生き様」(集英社新書)を最近出版した北村龍平監督(45)は、「あずみ」「ゴジラ FINAL WARS」など話題作を発表後、ハリウッドをベースに活動している。10年ぶりに日本で撮ったのが今回の作品だ。「ルパン三世」の映画化の話があった時、「監督史上最も難しいプロジェクトだと思った」と北村監督は話す。
「だれもが知っている作品で、歴史もあり、どの時代の、どの作品を見たかで観客のルパン三世へのイメージは全く違います。制限がある中で、絶対に負けられない作品を作ろうとプロデューサーと徹底的に話し合い、新しいワールドのルパン三世を作り出しました」
映画中盤のカーチェイスは圧巻。しかし撮影前、スタッフ全員が「できない」と考えていた。
「タイで撮影したのですが、突発的事態があり、予算も日程もオーバーし、スタッフは陰で『監督にどうやってあきらめてもらうか』と相談していた。でも、僕は10代のころから『できない』という選択を排除して臨んできた。必死であがいて限られた条件の中でやりきれるアイデアを思いつき、プロデューサーとスタッフを説得できたのは撮影の前々日。結果的に、ルパンらしいハチャメチャ感が出た最高のシーンになったと思います」