菅原文太さん 「仁義なき」暴挙に走る安倍政権に“痛烈遺書”
今年1月の都知事選では脱原発を掲げた細川護煕氏を積極的に応援。先の沖縄県知事選でも翁長雄志陣営の総決起集会に来賓として出席。体調はいかにも悪そうだったが、「政治の役割はふたつあります。ひとつは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。もうひとつは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと」と語りかけ、仲井真陣営に向けて「まだ弾は残っとる」と不敵にほほ笑むなど“文太節”を披露していた。
戦中戦後を知る立場から、とくに憲法をないがしろにし、右傾化する社会への危機感は以前から相当に強く、昨年8月の本紙インタビューでは、「いま大切なのは、われわれ国民が政府のデマゴギーにそそのかされず、自分で考えることでしょう。書物や新聞を読み、多くの人の話を聞いて、平和を維持するために自分は何をするべきかを模索する。熟慮の末に真実を知れば、戦後ひとりの戦死者も出していない憲法9条がいかに素晴らしいものであるかが分かるはずです。戦前のようにタカ派政治家たちの言葉に踊らされてはいけません」と戒めていた。
“大義なき”解散を推し進め、大量議席を背景に再び白紙委任状を手に入れようとしている安倍政権。民主主義を機能不全にする“仁義なき”暴挙というしかないが、義理と人情に生きた菅原さんの「弾はまだ残っとるがよう」という名セリフはどう響くのか。