「デート」「○○妻」…男性脚本家が描く女性ドラマに評価の声
「低視聴率」と十把一からげにしてしまうのは実に惜しい。この1月期のドラマは初回視聴率が15%を超える作品こそなかったが、漫画や小説の原作ありきではなく、脚本家による書き下ろし作品が多いからだ。なかでもこの3本(写真・別表参照)。いずれも脂の乗り切ったオヤジ脚本家が手がけ、初回を見る限り、かなり期待が持てる。
夫婦のあり方、アラサー世代の結婚観、働く女性の現状といった具合に切り口は三者三様だが、どれも人間関係を描いたドラマ。医療や警察といった特殊な世界ではなく、ごくフツーの生活が舞台で、ド派手なアクションや毎回ゲストが花を添えるわけではないが、見どころはたっぷりだ。
「お三方とも生々しく描くと鬱々としてしまいがちな風潮や言動を、誇大妄想かつ極端なデフォルメを施すことでエンターテインメントに仕上げている。その“包丁さばき”が実にうまい。月9ドラマ『デート』は視聴者の誰が見ても納得するリケジョの“あるある”をとらえ、『問題のある――』は女性軽視の職場を糾弾して事足れりとするのではなく、きちんと喜劇に仕上げている。『○○妻』も『ミタ』の二匹目のドジョウを狙っている感アリアリで、予想できない展開に視聴意欲をかき立てられる。少し前まで男性脚本家は“男はこうあるべき”といった呪縛にとりつかれたかのように社会性のあるものや問題意識の高い作品が目立ちましたが、“自由に好きなことを描いていいのだ”と振り切った感じがします」(コラムニストの桧山珠美氏)