水島宏明・法大教授が危惧「TVの萎縮はバラエティーにも」
テレ朝の「報道ステーション」で古賀茂明氏が打ち合わせにない発言で物議を醸した件に関して、私は古賀氏を支持しませんが、生放送でのあのハプニング自体は久々に面白いと感じました。ただ、あの一件で、テレビはますますコメンテーターへの事前コントロールを強めたり、無難なコメンテーターしか使わなくなるでしょう。予測不能なものや危ないものには手を出さないという姿勢を、皮肉にも、古賀氏が加速させてしまった。
テレビの萎縮は、バラエティーやお笑いにも広まっています。先日、亡くなった愛川欽也さんは、1970~80年代に「11PM」(日本テレビ系)で、政権や警察を風刺するようなコントをしていました。いまはそんなことは不可能。TBSラジオで安倍首相をバカ呼ばわりした爆笑問題の太田光発言のようなものは、テレビではできません。
もともとテレビ関係者がサラリーマン化し、危険を冒さなくなってきたという流れがありました。そこに、安倍政権がどんどん力をつけて放送内容にまで口を出してくるようになった。2つのタイミングが、悪いことに見事にマッチしてしまったということでしょう。