俳優・大出俊さんが語る「酒好きのおごり」に気づかされた日
NHK大河ドラマに過去9作出演し、「必殺仕業人」「荒野の素浪人」「逃亡者おりん」といったテレビ時代劇を中心に、舞台でも活躍中の大出俊さん(74)。酒好きで知られ、徹夜もしばしば。そんな大出さんの転機になった酒は……。
学生時代から大酒飲みでしたよ。小田急線町田駅の近くに住んでたんだけど、新宿で飲んでは終電で帰るって生活を4年間、繰り返してた。そのおかげで、かなり酒が強くなったんです。
大学卒業後は日野自動車で営業マンを約2年やりました。担当は乗用車の「コンテッサ」と積載量1トンほどの小型トラック「ブリスカ」で、酒の力を借りて売り上げを上げたこともよくあった。
ある日、それまで何回か営業に通ってた会社に行ったら、ちょうど宴会が始まったところ。
「おー、来たか、兄ちゃん。まあ、話は飲んでからにしようや」。こう社長に言われ、ポンと目の前に出されたのはビールグラスになみなみとつがれた日本酒。それを駆け付け3杯飲んだのはいいんだけど、肝心の“話”になんて、なりゃしない。そのまま宴会に付き合わされ、翌朝、目が覚めたら社長の自宅。飲みつぶれて、泊めてもらったんですよ。