脚本が粗く残念なドラマ 西内まりや「ホテルコンシェルジュ」
“コンシェルジュ・ドラマ”といえば、4年前に三谷幸喜作「ステキな隠し撮り 完全無欠のコンシェルジュ」(フジテレビ系)が単発ドラマで放送された。深津絵里がドタバタしながら、宿泊客のトラブルを解決する爆笑コメディーだった。
“「ダメです、ムリです」と決して言わないコンシェルジュ”という基本設定はまったく同じ。だが、こちらの「コンシェルジュ」のほうはコメディーとしてはお粗末だし、シリアスなドラマとしては客からの注文や展開がリアリティーに欠ける。
初回視聴率が9.4%なのはどっち付かずの影響だろう。西内の演技は「かぶき者」より数段進歩したが、脚本のせいで深津のようなコンシェルジュのドタバタするおもしろさはなかった。まだ間に合うから脚本のテコ入れを望む。
見た目は(目元と鼻が)優香似で演技は深津絵里のような幅が出てきて、2人にはない170センチの長身も生かせば、大化けの可能性大。TBSにできるかな。
(作家・松野大介)