黒木メイサ主演 ドラマ「デザイナーベイビー」に浮かぶ問題点
9月22日から始まったドラマ「デザイナーベイビー」(NHK)は黒木メイサの妊婦刑事で注目されたが、ストーリーは結構、難しい。
メイサは以前のスーパー美少女から大人の女に変わり、去年「ルパン三世」の峰不二子を演じた美貌は相変わらずハイレベル。身重の役も脚がスラッとしているし、さほど気にならない。
ドラマの舞台はとある病院。生まれたばかりの赤ちゃんを誘拐された母親が刑事の聞き込みに話せないほど混乱しているので、妊婦の女刑事が呼ばれたという設定だ。黒木は親身になって母親から事情を聴き、最後のほうは黒木がその母親になりきり、誘拐犯と電話で応戦した。
「母親です……あの子を返して!」「あの子の声を聞かせて!」と犯人を説得(その間に捜査官は居場所特定)する演技は真に迫った。その日の昼の番宣に出演の際、出産を経験した黒木は「監督さんが男性なので」意見を言うこともあるという。
もっとも、妊婦刑事の黒木は問題ナシだが、脚本が少し難解だ。「生殖医療」という親が理想の子供が生まれるよう“デザイン”するシステムがテーマ。それを実践する病院のカラクリを暴く展開らしい。こういうドラマだと視聴者も生殖医療の“是非”と向き合い、自分も答えを出さなきゃならなくなる。なんか面倒くさいと思う人も出るだろう。