興収20億円超えがもう30本 2015年「映画の当たり年」の背景
今年の振り返りはまだ早いが、映画界はヒット作品が多かった。ヒットのひとつの目安である興収20億円を超えた作品がすでに30本。これは2000年以降では、一番多かった09年の30本と同本数だ。
内訳は邦画が18本、洋画が12本。09年のときも邦画18本、洋画12本だったのでまったく同じ。ただ、今年の洋画は30億円以上が8本あり、これは09年の7本を上回る。洋画は、強力シリーズものが夏に集中したことが大きい。
おそらく今年の最高のヒットは夏公開の「ジュラシック・ワールド」(推定93億円)となろう。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(推定52億円)を含め、夏に公開された洋画では、5本が30億円を超えた。
洋画ファンが復活したというより近年では飛び抜けて豊富だった話題作に、世代や階層を超えて多くの観客が飛びついたということだろう。スマホが中心の社会になっても、映画館に足を運ぶ若い人は多い。たくさんの人と共有する場である映画館に若い人が集まるのは何ともうれしいかぎりだ。