著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

トレンディエンジェルの“ハゲネタ”が他と一線を画す理由

公開日: 更新日:

 男性のナルシシストは得てして嫌われてしまいがちなもの。ただ、彼の場合、頭部のインパクトが強すぎて、どんなにキザに振る舞ってもイケメンには見えない。ハゲがあるからこそ、格好つけたときのマヌケさと面白さが引き立つ。それがトレンディエンジェルのハゲネタが他の芸人と一線を画す理由だ。

 身体的な欠点をネタにする芸人は多いが、トレンディエンジェルは決して卑屈にならず、堂々と開き直っているところが異質。同じく薄毛キャラで知られるブラックマヨネーズの小杉竜一も、斎藤のあまりにポジティブすぎる考え方には違和感を抱いていたほどだ。それだけお笑いとして新しいことをやっていたからこそ、『M-1』の場でもその革新性が審査員に高く評価されたのだろう。

 初日の出のように光り輝く2人の頭をテレビで見れば、2016年も年の初めから縁起がいい。今年も一年、毛がなく(怪我なく)過ごせること間違いなしだ。
(お笑い評論家・ラリー遠田)

▽らりー・とおだ 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在はお笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。主な著書に「逆襲する山里亮太」(双葉社)など。

【連載】2016 新春「笑」芸人解体新書

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    “路チュー”に続き所属タレントの書籍予約トラブル…STARTO社福田淳社長は「自分ファースト」!?

  5. 5

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  1. 6

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 7

    プーチンだけが丸儲け…米国&ウクライナ会談決裂にニンマリのロシアが描く青写真と警戒心

  3. 8

    注目される日銀の出口政策…次は時価約74兆円のETF(上場投資信託)の出番だ

  4. 9

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  5. 10

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?