“焼津の半次”品川隆二さん 5度のがん手術乗り越え作詞家に
「撮影が終わると、先斗町や宮川町のなじみのお茶屋に直行さ。行けば風呂が沸いてて、新品の下着も用意されてる。で、晩酌の前に翌日の台本にザ~ッと目を通し、その後は芸子とドンチャン騒ぎ。ほぼ毎日続くんだよ、それが。当然ながら、ギャラは面白いように消えてなくなり、結婚する時はきれいさっぱり、スッカラカンになってた、ハハハ」
「花山大吉」が終わってからは時代劇ばかりではなく、ヤクザ映画やVシネマ、舞台と幅広く活躍した。
「ボクら俳優には定年がない。だから、このトシになっても役者でありたいって気持ちはあるし、時代劇を作るなら、アドバイスもしたい。でも、昔の一時が今の約2時間ってことすら知らない監督や脚本家が増えちまった。あと、ボクが時代考証の不備や間違いを指摘すると、露骨に嫌な顔をされることが多くて。この先、正統派の時代劇は成り立つのか、大いに不安だね」
2月末までCS放送「時代劇専門チャンネル」で「花山大吉」を放映中だ。
「娯楽作品であっても、もちろん時代考証はバッチリだよ」
取材が終わって京都文化博物館でのトークショーをのぞくと、イベント終了後、サインやツーショットを求める長蛇の列。取材時より数倍は笑顔の品川さんがいた。