宴会場がリングに 蝶野正洋さん語る“旅館破壊事件”の凄惨
音頭を取った坂口(征二=当時、新日社長)さんが「今晩は無礼講で」と言ったもんだから、酒が入るにつれ皆エキサイトしちゃって、大変も大変。武藤さんが前田さんに殴られ、それを見た高田さんが前田さんを羽交い締めにして武藤さんに殴り返させるわ、酒乱の後藤達俊さんはあらゆる部屋の壁や柱を壊し始めるわ、同期の藤原喜明さんとドン荒川さんは一升瓶片手に5階の宴会場で、
「おまえ本当に酔ってるのか。なら、ここから飛び降りろ」(藤原)
「何? おまえが飛び込んでみろ」(荒川)
「何? まだ酔ってねえ。飲みが足りない」(藤原)
って言い合いしてる。飲み潰れた若手があちこちで市場のマグロみたいに転がり、トイレが詰まってるのに水を流して、あふれた水が階段を滝のように流れて、もうむちゃくちゃ、阿鼻叫喚でしたよ。
ご主人や女将、仲居さんがオロオロして、坂口さんに「どうにか収めてください」ってすがりついても、もう誰も止めるなんてできやしない。
結局、静かになったのが深夜の2時とか3時すぎ。そんなに飲んでなかった俺はそれから猪木さん、坂口さん、藤波さんらと後片付けだよ。でも、旅館はボロボロになって、とてもじゃないけど翌日から営業できる状態じゃない。