平尾誠二さんの命を奪った「胆管細胞がん」 の恐ろしさ
20日に亡くなったラグビー元日本代表監督で神戸製鋼ゼネラルマネジャーの平尾誠二さんの死因が、遺族から発表された。53歳の早すぎる死をもたらした病名は「胆管細胞がん」。肝臓がんの一種である。
胆管とは肝臓から出た胆汁を十二指腸に運ぶ管。ここにがんができることで、重篤な場合は死に至ることになる。
「胆管細胞がんは、がんの死因の4%を占める。がんができて胆管が詰まるのですが、その場所は肝臓の外部と内部の2つに分かれます」とは医学博士の米山公啓氏だ。
「肝臓の外だと黄疸で発熱、倦怠感、食欲不振の症状が出たり、胆石と同じ痛みが走るから、比較的発見しやすい。問題は肝臓の内側の胆管にがんができた場合です。自覚症状がないため、進行してからでないと見つかりにくいのです。いずれも、がんが肝機能を低下させ、肺などに転移する危険性があります」
■手術後の5年生存率は40%
治療の薬はなく、現時点では手術で病巣を切除するしかない。ただ、手術を受けても5年生存率は40%、手術ができない場合は、わずか10%というから、怖い病気だ。