三池作品に出演直訴 遠藤憲一を変えた人生初の“モザイク”

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■「なんで俺を使わないんだ」と三池監督の首を絞めた

 出演のきっかけは前年にあった、ある俳優の結婚式の2次会。実はその3年ほど前から、三池作品に出たくて出たくて仕方なかった。でも、知り合うチャンスもオファーもなくてね。三池さん、三池さんって頭の中がいっぱいでした。それでお酒が入ってた勢いもあって、談笑してるところへ駆け寄り、「おまえかぁ! 三池さんってのはぁ~。なんで俺を使わねぇんだよぉぉ!」って首絞めちゃった。その後のことは記憶がないんですけど、最後は泣きながら、監督の膝の上で寝てたらしい。

 それで1週間後に「天国――」のオファーが来ました。その後、「ビジターQ」(01年)で初主演。12月23日公開の「土竜の唄~香港狂騒曲~」まで、全部で約20本の三池作品に出演させていただいてるんですから、本当にありがたいです。

 もうひとり影響を受けたのは、マーロン・ブランドです。20歳になる少し前にリバイバルで見た映画「ゴッドファーザー」は衝撃的でしたね。

 この作品で、彼は主人公のマフィアのボスを演じてますが、長男が殺され、それを知った時のシーンがとてつもなく凄かった。セリフはほとんどなく、大げさに嘆き悲しむわけでもありません。でも、最愛の息子を失った一人の父親の無念や、ファミリーの長でありながら守り切れなかった悔悟、それらすべてを陰影の濃い表情に込めて表現しているんです。

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