著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

松本人志が触れた矛盾と違和感 芸能メディアに変革の予感

公開日: 更新日:

「事務所の力関係や事務所が大きいってことで、スキャンダルが扱えなかったりすることがあるんですね。でも、そんなん一般の人にバレてるから。『なんであのニュース扱わないの』って」

 元旦に放送された「ワイドナショー元旦SP」(フジ系)で放たれた松本人志(53)の発言。今の芸能界とメディアの歪んだような関係を象徴するものだが、スキャンダル対象者であり「吉本興業」という力もある大きな事務所に所属する松本が自ら発言したことは驚きだった。

 この松本発言の呼び水だったのではないだろうが、昨年暮れの番組にゲスト出演した小倉智昭(69)の言葉も興味深いものだった。SMAP解散問題に触れ、「『ここまで話していいけど、こっから先はやめて下さい』とかっていう縛りがある」と、自ら司会をする情報番組の舞台裏を明かしていた。新年を挟んで飛び出したテレビ界に影響力を持つ両人の言葉。メディアにとっても考えさせるものになった。同じスキャンダルでも所属する事務所の“力”、“大”によって一切、扱わない不自然さは一般人もすでにお見通し。

 結果、力もなく小さな事務所のタレントに取材が集中する。昨年、騒がれたベッキー(32)と川谷絵音(28)の不倫がその典型的な例。「ベッキーが会見をしたのだから、川谷も謝罪会見をしろ」という妙な大義名分のもと、テレビは必要以上に川谷を追いかけ回した。もしも、川谷の事務所に“力”も“大”もあったら果たして、追い掛け回したろうか――。近年、目立っている弱い者イジメにしか見えない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇