清水富美加は第2の能年玲奈? 問われる芸能界の労働問題
しかし、ある芸能プロ関係者はこう反論する。
「駆け出しの給料が小遣い程度なのは、飯を食わせ、寮代わりにマンションの部屋を提供し、レッスンを受けさせ、交通費まで生活費の全てを負担しているから。売れるか分からない新人のマネジメントはすべて事務所持ち。水着が嫌だったというが、モデル出身のタレントが最も手っ取り早く売り出せるのは水着グラビアの仕事で、その仕事を取ってきたのも事務所。あの氷川きよしもデビューから3年間は月給10万円だったのは有名な話だし、この業界はそういう下積みの中で修業し、売れっ子になっていくにつれて給料もアップしていく。清水さんのように、ようやく先行投資が実ってこれから儲けようという矢先に辞めるでは事務所はたまったもんじゃない」
仕事内容が不満ならそう言えばいいし、契約が不満なら結ばなければいいじゃないか、というのが芸能プロ側の主張だ。しかし、ある若手女性タレントの言い分はこうだ。
「休みもスケジュールも黙って従え、仕事の選り好みなどもってのほか。嫌だなんてとても言える雰囲気じゃない。マネジャーに相談しても聞いてもらえるとはとても思えません。清水さんが『力ある大人の怖い部分を見たら夢ある若者はニコニコしながら全てに頷くようになる』と言っていたのは、すごく共感できます。売れたいという夢につけこむパワハラですよ」
もちろん、やりかけの仕事を放置したまま一方的に退社した清水は社会人としての責任は免れない。だが、清水の出家をきっかけに、旧態依然とした芸能界の体質そのものも問題視されているのである。