テレ朝が当てた“老人鉱脈” 「やすらぎの郷」枠の今後は?
テレビ朝日系「やすらぎの郷」が最終コーナーを回り、壮絶なラストスパートを見せている。
最終週25日の放送回では実名こそ伏せているが、昭和を代表する大女優・大原麗子の孤独死を取り上げ、本人の肉声と写真を放送。功績を残した芸能人専用の老人ホームを創設した理由を明かしたのだ。おまけに、来月2日からスタートする黒柳徹子原案「トットちゃん!」の主演も務める清野菜名(22)の出番を増やし、入浴シーンや石坂浩二(76)との老いらくの恋をにおわせたり……。“高齢者向け”と銘打ったエポックメーキングなドラマは、最後まで見逃せない展開なのである。
脚本の倉本聰氏は今年4月の番組開始当初からNHK朝ドラに対抗するべく、帯ドラマにこだわり、昨今のテレビ業界や若い世代に活を入れてきた。介護、レイプ、年の差婚、相続、震災、ボケ、人の死といったさまざまな社会問題を取り扱ってきた。「題材はシリアスでも、ドラマは一貫してベテランの役者によるコメディーだった」と振り返るのは、コラムニストの桧山珠美氏だ。こう続ける。
「台本や演出に加えてベテランの役者陣がいい味を出し、倉本さんが描く世界観を見事に形にしていました。八千草薫や藤竜也以外は最近ではあまりお目にかからない役者ばかりでしたが、いずれも演技派揃い。再発掘につながった気がします。またテレ朝にとっても再放送や総集編といった朝ドラの手法も取り入れ、非常にチャレンジングな企画になった。10月からの『徹子の部屋』から『トットちゃん!』という“徹子ジャック”も期待しています」