公益性と公共性は 小室引退が突き付けた“不倫報道の是非”
小室さんといえば、誰もがその名を知る有名人で、国民の多くが関心を寄せていますが、その私生活となるとどう報じるべきか。ケース・バイ・ケースで議論しているというのがメディアの現状なのです。ただし、小室さんはこれまで、途方もない額のお金を稼ぎ、それを湯水のように使い果たし、その揚げ句に香港での詐欺まがいの事業に手を出して失敗した。そしてご自身も詐欺で有罪判決(懲役3年・執行猶予5年)を受けている。そうした事情を踏まえると今も限りなく公人に近い存在だと思います」
社会学者の太田省一氏はこういう意見だ。
「たとえば昭和時代であれば、当時のワイドショーがこうしたネタを扱っても、今ほど早く世論が形成されたり、バッシングが目に見えて起こることはありませんでした。今の世論において主にネット、とりわけSNSの登場とその影響が大きいのは周知のことですが、それらの多くは匿名によってなされているのが現状です。そこで生まれた世論で有名人が叩かれがちな背景としては、経済や社会の停滞による閉塞感からくる不安や不満のはけ口として目立つ有名人がターゲットになりやすいことがあります。