歌番組から報道まで…ジャニーズ“独占”から見える日本社会
■前例のない40代、50代アイドル道
もう一方で、嵐など既存のグループも健在だ。ただ、岡田准一、森田剛と相次いで結婚し、メンバー6人中4人が既婚者となったV6のように、かつての「若い独身男性」というアイドルのイメージからはますます離れつつある。ここから前例のない40代、50代アイドルの道をどう切り開いていくことになるのか、それは未知数だ。
そうしたなか、ジャニーズの全タレントに英語を覚えるよう指令を出すなど、ジャニー喜多川の最近の発言からは、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの強い思いが伝わってくる。
1964年の東京オリンピックは、日本が高度経済成長を迎えたなかで開催された。ジャニーズ事務所が生まれたのもその頃である。そして時代は昭和から平成へと移り、その平成も終わるなかで2020年を迎える。ただ、高度経済成長をベースに昭和の日本が築いた繁栄や社会も、いまは長引く経済の停滞や少子高齢化などさまざまな問題を抱えている。
エンターテインメントは時代の反映ではあるが、時には時代を先取りすることもある。「戦後」が遠く感じられるようになりつつある時代のなかで、日本の戦後そのものであるジャニーズはこれからどこへ向かうのか。