もえのあずき ビール売り子を経験したおかげで爆食女王に
ところが、いざ始めると、試合を見るどころじゃないんです。負けず嫌いだからついつい売り上げを追いかけちゃう。それに何よりもお客さまとのやりとりが楽しくて、応募前の「試合見ながら」というのはどこへやら。選手の一挙手一投足よりお客さまのちょっとしたしぐさや目の動きの方が気になっちゃいました。
その年は10月のシーズン終了でいったん辞め、その後カナダへ1年間留学したのでブランクがあって4回生の時に復帰。卒業後は京セラドームと掛け持ちで1シーズン、フルに頑張りました。
売り上げは自分で言うのは恥ずかしいんですけど、いつもベスト3とか5。何度も月間売り上げナンバーワンを獲得したんですよ。秘訣はお客さまの「買いたい」「買おうかな」の動きを見逃さない、固定客・常連客を掴む、注ぐ・渡す・代金を頂くという一連の動作を素早く行う。これが3大要素で、他にもビールが樽の中で泡立たないように素早く移動するとか、細かいチェックポイントもあります。もちろん笑顔だってすごく大事。
お客さまのしぐさを見分けるのは経験値と判断力の高さが左右します。だからつねにセンサーを磨き、四方八方に目配り気配りしてました。固定客や常連客、簡単にいうと私のファンという言い方もできると思うのですが、その方たちの波長に合わせるだけじゃなく、どのくらいのペースで飲んでいらっしゃるかを覚えておいて、空いたころに近くに行ってるようにするというのも大切です。最後のシーズンでは100人以上のデータを頭の中にインプットしてました。
それから試合の流れも見逃せません。やはり勝ってる時や得点直後、ホームランが出た後はドッと売れますね。ナイターだと七回終了あたりから売れ行きが落ちるので、それに合わせて売り子の撤収が始まりますが、勝ち試合でゲームセットの途端に呼ばれることもあります。最後まで気が抜けなかったですね。
売り子をやってよかったのは体力や最後まで諦めないって気持ちがついたこと、12年に所属事務所のオーディションを受けた際に「何か特技を見せて」と審査担当のつんく♂さんに言われ、売り子を再現して、それが少なからず評価されたことです。
それと体力勝負なので甲子園へ行く前に自宅でご飯をたくさん食べて出かけてました。きっとそれで胃袋が膨らんだんじゃないかな。だから、今アイドル活動ができるのも、爆食女王になれたのもビール売り子をやってたからだと思います。あの時にたくさんたくさんかいた汗はちゃんと報われてるんです。
◆インターネットテレビ
ゲーム&アニメ情報バラエティー「電人☆ゲッチャ!」(8月16・23・30日21時、ニコニコ生放送)、情報バラエティー「Feelthemoment」(25日24時、9月1日24時。インターFM)
◆ライブ
17日19時「Stand-Up!Live~緊急集会・2018Summer~」(渋谷WWWX)、19日12時「IDOLPop’nParty」(東京FMホール)