著者のコラム一覧
クロキタダユキ

ドリーム(2016年、米国)

公開日: 更新日:

 米ソがシ烈な宇宙開発競争を繰り広げていた1960年代初頭。NASAに勤務する黒人女性キャサリンはズバぬけた数学知識で、女性として初めて宇宙特別研究本部に配属される。

 が、職場は白人男性だらけ。女性で黒人だけに冷遇され、用を足すにも有色人種用のトイレに40分かけて行く始末。彼女の才能を認めた上司ハリソン(ケビン・コスナー)は、その不当な扱いに気づき、白人用のトイレの鉄の札を破壊。その際に放った言葉だ。

 中心は、彼女を含む黒人女性3人。それぞれ差別にめげることなく、課せられた仕事を着実にこなしていく。彼女たちの夢と国家の威信をかけた有人宇宙飛行が巧みに重ねられながら、ドラマは進む。

 宇宙飛行士のグレンは、最新鋭のIBMコンピューターより、彼女がはじき出した落下位置の数字を信用し、見事にプロジェクトは成功する。国民的なヒーローの偉業を陰から支えたのが、彼女たちだ。

 ご機嫌なソウル音楽を担当したのは、大ヒット曲「ハッピー」で知られるファレル・ウィリアムス。BGMのテンポがよく、彼女たちの活躍が軽快にポップに描かれる。その軽快さも後押しし、彼女たちの姿がカッコよく、元気になる。彼女の功績が認められ、今ではその名を冠した建物がNASAにあるそうだ。

 仕事で落ち込んでいるときに見ると、前向きになれる作品である。

【連載】セリフ1つ読む映画

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  3. 3

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  4. 4

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  5. 5

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  1. 6

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  2. 7

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  3. 8

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

  4. 9

    中居正広が払った“法外示談金”9000万円の内訳は?…民放聞き取り調査で降板、打ち切りが濃厚に

  5. 10

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭