エイリアン・コヴェナント(2017年・米/英)
第2の地球に向かって宇宙を航行していた植民船コヴェナント号が、謎の電波を受信。発信源は人間が生存可能な理想郷と判明し、調査隊は未知の惑星に降り立つ。その星は、エイリアンの実験場だった。
SFホラーの金字塔「エイリアン」の前日譚として製作されたのが「プロメテウス」で、その続編だ。前作から生き残ったアンドロイドのデヴィッドは、エイリアンの元祖を“完璧な生命体”として改良する。
セリフは、そのことをコヴェナント号の船長に告白した言葉だ。事実を知った船長は、エイリアンの宿主にされる。デヴィッドにそっくりなもう一体とともにアンドロイド2役は、演技派マイケル・ファスベンダーが演じているのが面白い。
エイリアン誕生秘話として製作されただけに、第1作の「エイリアン」につながるエイリアンが次々と誕生する。シャワールームでセックスしていた若いクルーが、エイリアンに襲われるシーンはホラー映画の定番で笑っちゃう。そのデザインはペニスがヒントだからなおさらか。
まあ、どんなに地球に近い環境だとしても、ヘルメットなしで惑星に降り立つ姿などツッコミどころも満載だが、そこはSF映画の巨匠リドリー・スコット監督。最後まで観客をひきつける演出力はさすがだ。
米アカデミー監督賞には、3回ノミネートされながら、受賞は逃している。一連のシリーズ化は代表作を進化させて、栄冠を手に入れたいのかもしれない。