長谷川朝晴さん語る 松平健さんがくれた幻の焼酎の思い出
普段の父はたしなむ程度しか飲みませんが、この時ばかりは表情も緩みっぱなし。いい時間を過ごしました。健さんとはNHK大河ドラマ「義経」(2005年)の共演をきっかけに親しくさせてもらっているのですが、少しは親孝行ができたかなって思いましたね。
■乾いた蕎麦には冷酒をかけてほぐす
酒デビューは明治大学に入学して、学生劇団「騒動舎」に入ってから。父がほとんど飲まなかった影響で、ボクは奥手。酒を飲んでワーワー騒いでいる先輩や同級生をいつも一歩、引いて見てました。
ところが、劇団は飲んべえ揃い。しょっちゅう飲み会があって、おかげさまで少しずつ鍛えられました。行きつけは校舎があった京王線明大前駅のそばの居酒屋。劇団メンバーのアルバイト先だったため、閉店時間が過ぎてるのにそのまま居座って、朝まで飲み明かすのも珍しくなかったですね。
本格的においしさを知ったのは大学卒業後。俳優だけでは食べていけず、IT関係の会社でアルバイトをしていた頃です。その会社では3カ月に1回、昼で仕事を切り上げ、明るいうちから蕎麦屋へ飲みにいくという慣例がありました。経済的にまだ恵まれていなかったので、ホント、ありがたかったです。