雅楽師・東儀秀樹さん 宮内庁職員を辞めて後悔していない

公開日: 更新日:

 宮内庁式部職楽部を辞めた96年の1月に、アルバム「東儀秀樹」をリリースしてデビューしました。ライブ活動はその3、4年前から。だから、当時はもっとあんなこともこんなこともやりたいと思い、周りからも求められるようになっていました。でも、公務員だから応えられないというのが悲しかった。

 宮内庁職員らしくない僕の行動を、宮内庁内で問題にする人はもちろんいました。上司に「宮内庁職員の自覚を持て」と言われたり、コソコソ陰口を叩かれるのは日常茶飯事。でも、僕のことを嫉妬してるんだな、僕が後ろ指さす側じゃなくてよかったとまったくへこんでいませんでした。むしろ、個人的活動などで宮内庁の休暇をもらい、他の職員の演奏の配役に迷惑をかける方が嫌だった。楽団は全部で25人しかいない。だから1人が抜けると、調整が大変なんです。

 辞めると伝えた時、宮内庁側からはものすごく引き留められました。でも、頭の中からはワクワクすることばかりが浮かんできて(笑い)。宮内庁を辞めても雅楽を大事にしたい気持ちは変わらないし、何とかなるだろうと何の保証もないのに自信がありました。辞めた後のことを考えて人脈を広げたりとか、そんなことは何もしていなかったんですけどね。「宮内庁職員だから面白がられている。宮内庁を辞めたらだれも見向きもしなくなるよ」と言ってくる先輩もいました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」