「ディア・ハンター」ロシアンルーレットを楽しむベトコン
1978年、マイケル・チミノ監督
アカデミー賞5部門を獲得。12月14日(金)から4Kデジタル修復版が全国公開される。
ストーリーはご存じの通り。ペンシルベニア州の田舎町に住むロシア系移民のマイケル(ロバート・デ・ニーロ)が友人のニック(C・ウォーケン)、スティーブン(J・サベージ)とともにベトナムに出征。ベトコンの捕虜になるが、マイケルの大胆な作戦で窮地を脱出する。だがニックは失踪。ニックの恋人リンダ(メリル・ストリープ)と深い仲になったマイケルは彼を捜してサイゴンに向かうが……。
見どころはロシアンルーレットを強要される場面だ。スティーブンは恐怖で過呼吸になり、マイケルは叫びながらベトコンを瞬殺する。狂気じみた緊迫感に観客は度胆を抜かれた。
米兵が犠牲者に描かれているとの批判も起きた。結婚式と鹿狩りが終わると戦場に切り替わる。ベトコンが女子供を手りゅう弾で殺害。ホーチミンの写真を飾ったアジトで捕虜をばくちの道具にする。ニックは精神を病み、スティーブンは両足を失う。チミノ監督はベトコンを極悪人に仕立て上げた。