「ゴッドファーザー PARTⅡ」戦国時代と被るマフィア抗争

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 日本のヤクザ抗争は「戦国時代」にたとえられる。戦国武将もヤクザもマフィアも行動原理は同じ。暴力と調略、裏切りが運命を決定する。マイケルとダブるのが織田信長だ。父信秀の地盤を受け継ぎ、強引な勢力拡大に走る中、1570年の朝倉攻めで義弟の浅井長政に裏切られて逃走(金ケ崎の戦い)。3年後、長政を殺害した。本作のマイケルも兄フレドを処断する。枯れ葉が舞う庭のベンチで、彼はどこで方向を間違ったのかを考えたはずだ。マイケルの横顔がフェードアウトするラストが深い余韻を残す。

 見どころはビトー(テ゜・ニーロ)がならず者のファヌッチを殺し、シチリアで両親の仇(あだ)を討つ場面だろう。ビトーは2人の大物を片付けて頭角を現したが、マイケルが余命いくばくのロスを殺した動機は無益な意地にすぎない。父と子の行動が似て非なるものとは皮肉な話だ。

 信長は本能寺で横死した。マイケルが「高ころびに、あおのけ」になるかはいずれ「PART Ⅲ」の紹介で。

 (森田健司)

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