13代團十郎襲名 海老蔵を待つ市川宗家の特権と重責と野望
家族の物語ばかりが伝えられるが、海老蔵は歌舞伎の改革者である。新作を次々と作っているだけでなく、座組の改編を着実に進め、休演日を設けるなど興行面での改革もし、自主公演で地方の劇場・ホールのネットワーク化も推し進めるなどの改革をしている。最後のは松竹依存度を下げるという、壮大な構想の下での行動とみているのだが、いずれ答えは出るだろう。
團十郎になって落ち着くのではなく、何をするか分からない危うさを、ますます強めてほしい。
(作家・中川右介)