13代團十郎襲名 海老蔵を待つ市川宗家の特権と重責と野望
歌舞伎界が市川海老蔵(41)の團十郎襲名発表に沸いている。先日は成田山新勝寺で行われた節分会に長女・麗禾ちゃん(7)と長男・勸玄くん(5)を伴って参加した海老蔵。江戸時代から続く大名跡を継ぐことへの周囲やファンの期待は高まるばかりである。しかしながら、團十郎襲名は生半可なことではない。歌舞伎界において市川宗家にしか付与されない特権、課せられた重責、そして秘めたる野望とは――。
市川海老蔵の13代目團十郎襲名が発表された。同時に長男の堀越勸玄も市川新之助を名乗る。
12代目が亡くなったのが2013年2月だったので、20年5月の13代目襲名までの「團十郎空位期間」は7年となり、これは最近では短いほうだ。
11代目が亡くなったのが1965年で、12代目の襲名は85年だったので20年の空位期間があった。さらにその前の空位期間、9代目と11代目の間は60年もあった(10代目は没後の追贈)。
初代から8代目までは、先代存命中に團十郎を襲名することが多く、空位期間はほとんどない。8代目と9代目は兄弟だが、兄・8代目が若くして自殺し、20年後に弟が9代目を襲名し、ここから空位期間が長くなった。