モノ作りには団結が必須 さんまに学ぶ場の空気の和ませ方
バラエティー番組を多く手がけてきた小松は、明石家さんまや笑福亭鶴瓶、ダウンタウンやウッチャンナンチャンなど、第一線で活躍する芸人を間近で見てきた。
やはり売れている芸人は、皆それぞれ、現場を一つにまとめる力があるという。
「例えば、さんまさんは、小さな楽屋ではなく、エキストラの皆さんが控える大部屋に入られます。スタッフに囲まれて、さんまさんが、わーってしゃべられ、あっという間に現場の空気を和やかにしてしまう。皆で楽しい雰囲気を共有し、その雰囲気のまま、本番に入る。その楽しい空気が、お茶の間に伝わるのだと思います。若い頃のダウンタウンさんは迫力がありました。血気盛んというか、『俺らがこれだけ頑張ってんだから』っていう気迫がスタッフに伝わった。その迫力に現場がまとまる感じでした。ウッチャンナンチャンは、スタッフの期待に全力で応えようという姿勢で現場を引っ張っていく印象です。鶴瓶さんも、スタッフを笑わせ現場を和ませますが、ただ、具体的に何をしているかは、ちょっと言えません(笑い)」
もちろん、楽しい雰囲気の現場だけが良い番組を作るとは限らない。暴力的に現場をまとめ上げる人もいれば、説得力やカリスマ性、優しさでまとめ上げる人もいるという。
いずれにしろ、組織として何を目指しているのか明確であること――。個人がバラバラな方向を向いていたら、ヒット商品は生まれないのだ。
=つづく
(構成=高月太樹/日刊ゲンダイ)