天覧演芸で美智子さまから「秋」と「子守歌」のお題を
果たして正楽は何を切ったのだろうか。
「『秋』は美智子さまの少女時代を想像して、お母さまとご一緒のところに柿の木とススキがあって、赤トンボが飛んでいるのどかな風景です。『子守歌』は美智子さまが作詞なさった『ねむの木の子守歌』をイメージして、現在の天皇陛下がお生まれになった頃、美智子さまがお抱きになっている母子のお姿を切りました」
注文を受けて、それを即興で切るのだから凄い。
「秋篠宮さまご一家も同席なさっていましたから、悠仁さまが注文して下さいました。『オニヤンマが川面を飛んでいるところ』と『アゲハチョウが花の蜜を吸っているところ』という実に具体的な注文です。昆虫がお好きなんですね」
天覧演芸に出演した色物芸人は、昭和天皇の時代に初代林家正楽と奇術のアダチ龍光がいて、当代正楽は3人目になる。
ちなみに、落語家は三遊亭円生と柳家小三治だけである。
「そんなわけで、ご一家は敬愛する存在なんで、皇室関係の注文があっても平気で切らせていただいてます」