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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

MCに甘え自分を貫き仕上がった「ずん飯尾」の愛されキャラ

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 だが、2人のほうが暗い顔をしている。「テレビでは自分たちのやりたいことがほとんどできない」「それをどうしたら少しでもできるようになるか」と悩んでいたという。ああ、売れてもそういう悩みがあるのだ」とキャイ~ンから「予防注射」を打たれたようだった。

 また、もう芸人を辞めようかと思った時に限って、ウドや先輩の関根勤から「面白い」と言われ、「痛み止め注射」を打たれ、続けることができた。

 ある年の年末、仕事納めだななどと言いながら、相方のやすと喫茶店でランチを食べていると、ウドから特番の収録で忘年会に遅れるという連絡が入った。その時、芸人にとって、かき入れ時の年末に仕事がないなんて、ヤバいんじゃないかと思ったという。

 そこで開き直った。「今日から人に甘えよう。MCに甘えよう。バンバン、バンバン、スベってもいいから何でも答えていこう」と。「何もなくなったら、好きな食べ物でも叫べばいいじゃないか」と、やすと共に決めた。すると、年明け1発目の仕事で、やすがMCと絡み、15秒後に「ホタテ~っ!」と叫んでいた(文芸春秋社「文春オンライン」19年5月26日)。

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