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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

誰も気づかぬ合唱パートに似た 安住紳一郎は狂気のマニア

公開日: 更新日:

 当初、TBSでは「平板」優先という取り決めがされたという。しかし、NHKは「頭高」を採用。さらに天皇(現上皇)の談話が「頭高」で発音されたため、「優先」が取れ、どちらでも可となったという。

 安住の解説はそれだけでは終わらない。「平板」「頭高」の違いに加え、「レイワ」なのか「レーワ」なのかという「長音をどう読むか」、さらに「RとLの発声の違い」などにも言及し、「令和」の読み方は8種類あると分析。現在はNHKが「頭高でRのレイワ」、TBSが「頭高でRのレーワ」を採用しているという。しかし、安住は言う。

「使用頻度の高い固有名詞は平板化していくでしょ。だから多分、新元号もそのうち平板化するんじゃないかと思ってるわけ」

 後輩たちに向けたそのしたり顔に安住の狂気じみたヤバさが凝縮されていた。「頭高」か「平板」か、ぐらいは一般の視聴者にも気になるレベルだ。だが、長音やRとLの違いなど、よっぽど意識しない限り気にならない。けれど、その細部こそが重要なのだ。

 それはまさに、合唱で、誰も気づかないようなパートを歌うことに似ている。ひとたびハモったとき、そのパートがあるかないかで全く深みが違うのだ。

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