松本人志では収束不能…吉本興業の救世主は“さんま新社長”
経営アドバイザリー委員会設置も…
吉本は25日、経営アドバイザリー委員会の設置を発表。反社会的勢力排除だけでなく、所属タレントとの契約の在り方やギャラなどについても契約書を交わす方針を明らかにしたが、これぞ“泥縄”。“笑いの総合商社”が健全に再生するとは到底思えない。
「スタンダードは時代とともに変わっているということを吉本側は強く自覚しないといけない。闇営業に関する確認書ではなく、所属芸人6000人分のギャラに関する契約書が必要です。ギャラや待遇のランクが上がるロジックも明示すべきなのは当然ですが、社長の会見後、松本人志さんが『プロ根性で乗り越えましょう』とやや経営陣寄りにもとれるツイートで炎上し、宮迫さんらとの距離感は変わってしまった。もう松本さんでは事態を収拾できない状況で、社長の実力不足も明らか。残る救世主は明石家さんまさんしかいないと業界内ではもっぱらです。さんまさんは吉本でテレビ局に最も影響力のあるタレントで、吉本の専属芸人ではなく“業務提携”の関係にあり、会社との立場は対等。そして、一度決めたら“撤回”なんてあり得ず、考え方のブレない吉本の重鎮です。もしもさんまさんが吉本から完全独立し、宮迫さん、亮さん、加藤さんらを迎え入れ、吉本を二分する芸能事務所になれば、お笑い界は大きく変わると思います。そんな時に吉本残留か、移籍か、自由裁量できることこそが“芸人ファースト”です」(影山氏)
さんま新社長による吉本再建プランは、決して奇策ではなく、極めて現実的である。
▽影山貴彦(かげやま・たかひこ)1962年、岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業し、86年に毎日放送入社。「MBSヤングタウン」などを手がけ、2002年に同志社女子大助教授に就任。専門は「メディアエンターテインメント論」。