なぜ人気?興収4億円超の映画「すみっコぐらし」実況中継
580席も次々完売 「ターミネーター」もビックリの客入り
とはいえ、疑い深い性分である。当初は「意外な話題作」程度だろうとタカをくくっていたのだが、想像以上のチケットの売れ行きに驚いた。予約の段階ですべての上映回数がソールドアウト(事前にネットで購入しておいてよかった……)。シアター1は580席を要する大箱で、この日の上映は計6回。つまり、3400人超の観客がすみっコ目当てに来場するということになる。
同時期に公開された「ターミネーター」の新作ですら当日券で入場できるというのに、もはや「意外な話題作」では済まない“一大ムーブメント”だ。客層は週末ということもあって半数以上が子供連れのファミリー層だったが、若い女性やデートのカップルなどの客層もウジャウジャいた。
■「愛され力の高さ」イノッチ効果でつかみもバッチリ
劇場内は上映開始直後から、何か面白いことがあれば素直に声を出して笑う子供たちのおかげもあって、すみっコ応援ムード全開。
ただでさえ「ゆるかわいい」すみっコたちが絵本の中で戸惑いながらも一生懸命頑張っている姿は、ペットのホームビデオやはじめてのおつかい的な愛くるしさがある。観ている者は自然と庇護欲をかき立てられるのだが、そんなすみっコたちを見守るようにV6の井ノ原快彦(43)のナレーションが効果的に入ってくる。
柔らかい声のトーンに加え、8年間に渡りNHK「あさイチ」で“朝の顔”を務めただけのことはある。イクメンタレントとしても知られる井ノ原の絶対的イメージは姿かたちを見せずとも、声だけで劇場内に癒しをもたらしているようだ。仕事が終われば、六畳一間でズブロッカをあおりながらクダを巻いているのが日常という記者のやさぐれた心さえも、自然と穏やかに……。