広瀬アリス「トップナイフ」のコメディエンヌぶりが逆効果
確かに「トップナイフ」は、病院を舞台にしたヒューマンドラマの部分あり、天才たちの苦悩あり、緊迫した手術の場面あり、メーンキャストの行きつけのバーの場面あり……極めつきはエンディングで、全員総出でのポップなダンス。意表を突いたキャスティングとして“裸芸”の「アキラ100%」が救命医役でレギュラー出演と、あれやこれやとてんこ盛りだ。
「どれもかつてヒットしたドラマの要素ですが、そのつなぎ方やバランスが、純粋に医療ドラマを期待していた視聴者に戸惑いを与えているのではないでしょうか。“視聴率狙い”のはずが、伝えたいことがうまく絞り切れず、とっ散らかる方向にある感じ。もっと違う作り方もあったはずです。ただ、番宣が深夜に多いのをみると、日テレ側としては、今の視聴率を支えるシルバー層以外を何とかして取り込もうとしているのが分かります」(前出の亀井徳明氏)
広瀬アリスを起用したのも、幅広い層を取り込むためだろうが、使い方を誤って、逆に乗りに乗っている彼女の勢いにブレーキがかからないか、心配になる。
それでも目下の視聴率首位をキープ。それこそ「天海祐希×医療ドラマ」という骨格自体が、視聴率の“基礎票”である、視聴習慣に“忠実”なシルバー世代をつかんでいる証なのかもしれない。