テレ朝集団感染発生も…報道番組「3密」は変えようがない
「MC(司会)やコメンテーターをいくら離して座らせたり、リモート出演にしても、テレビ局のクラスターは防ぎきれませんよ」
情報番組のディレクターはため息をついた。テレビ朝日で「報道ステーション」から新型コロナウイルスの集団感染が発生し、各テレビ局は「ウチも危ない」と社屋・施設の出入りを規制しているが、放送現場の3密はまったく変わっていないという。変わっていないというより、変えようがないのだ。
情報番組やバラエティーなどのスタジオでは、副調整室(サブコン)から演出や進行をコントロールする。モニターと放送機器で座るところもないような20畳ほどの部屋に、ディレクター、タイムキーパー、スイッチャー、音声ミキサー、照明係らが「密集」し、音や声が漏れないように「密閉」され、指示・連絡がすぐ伝わるように「密着」状態で、何時間も過ごす。
そのときフロアでは、カメラマン、照明さん、音声さん、さまざまな雑用をこなすアシスタントディレクターら、何人もが忙しく動き回っている。放送中、こうした裏方のスタッフは少なくても20~30人はいるだろうか。