著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<9>麻雀は打ち手によって格調が生まれる

公開日: 更新日:

 麻雀クラブで、闘牌している様子を見ると、ボヤく、愚痴る、責めるのオンパレード。ツイてない、下手くそ、バカだよと、自分を罵る声が交錯している。

 それは人が失敗を恐れ、完璧に事を運ぶのに拘泥する気持ちが強いのを示している。欲張りなのだ。

「夫れ境、心に随って変ず、心は境を逐って移る」

 弘法大師空海の言葉である。環境は心のありようによって変わり、心は環境によって移り変わる。麻雀に即して考えると同じ手段、同じ結果でも打ち手の受け止め方で違ったものになると取れる。

 また、こんな言葉も残した。

「物の貴賤は師の別くと別かざることなり」

 含蓄があり、難解な空海の言葉。物の価値は、大勢の見る人の判断で決まるので、物に備わっているわけではないと説く。人の心の大切さを述べている。

■なぜ「發」の対子落としだったのか

 実戦譜は第1期麻雀名人戦(「週刊大衆」主催)、“雀聖”阿佐田哲也さんのものである。

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