静かな人気のNHK・BS1「空港ピアノ」はなぜ感動を呼ぶのか

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「涙が出た」「幸せな気分になれた」「おしゃれ」と、NHK・BS1の「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」が、SNSで静かに人気が広がっている。

 世界各地の空港ロビーや駅構内に置かれた、だれでも弾いていいピアノの脇に定点カメラをセットし、通りすがりに演奏していく人々を撮影したドキュメンタリーだ。1人数分の映像だが、それぞれの人生や思いが浮き彫りになり、感動を呼ぶ。

 たとえば、こんな人たちが弾いていく。ロンドンのセントパンクラス駅では、脳梗塞で倒れ退院したばかりの老画家が、「ここまで指が動くようになったよ」と「マイ・ウェイ」を。プラハのマサリク駅では、趣味を持とうと2年前からピアノを習い始めた専業主婦が練習し、ロサンゼルスのユニオン駅の若い女性は、仕事帰りに毎日寄って、ここでピアノを覚えていたという。

 オーストラリアのブリスベン空港の64歳の男性は、現場監督をリタイアしたばかりで、10年ぶりにピアノを弾いた。かっこいいだろうと見せた写真は、音楽三昧だった若いころの長髪だった。引退を機にまた音楽活動を始めるという。

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