著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<3>顔のない遺影 親父の死がフレーミングを教えてくれた

公開日: 更新日:

親父やおふくろと旅したかった

 今、一番ね、親父とかおふくろを旅に連れて行ってあげたかったなと思うんだ。一緒に旅したことがなかったんだよね。

 小学校の時に、親父が林間学校の記念写真を撮ってくれって学校から頼まれて、写真の助手と称して日光とかに連れて行ってもらったことはあるけどね。旅館を抜け出して、夜明けに日光東照宮を親父からもらったカメラで写真を撮ったんだ。そういうような旅しかないの。

 旅に連れて行ってあげたかったね。おふくろを連れて、ちょっと近くの温泉でもいいからさ。親父は写真展だね。海外の写真展に一緒に連れて行きたかったねえ。ウィーンのセセッションでやった時に連れて行きたかったなあ、親父は喜んだろうなぁ(1997年にオーストリア・ウィーンのセセッション設立100周年記念展として大規模な個展を開催)。

 下町だからね、自慢だったらしいんだ。「うちのノブは天才だ」なんて言ってたらしいからね(笑い)。今、ちょっと写真展やってるんだけど、行こうぜとか言いたいんだよねえ。そういう時にいない。だから残念だけどね。

(構成=内田真由美)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出