劇場版「鬼滅の刃」公開 SNSの“負の側面”から広がった共感
相手を理解できないし、したくないから叩いてもいいし、攻撃してもいい――。SNSの普及に伴い、自分が思い込んだ正義を大義名分とし、他者を否定する言説が目立つようになったこの時代に、炭治郎は世に生まれ、支持を得ている。たとえ相手を理解できなくても精いっぱい寄り添おうとする炭治郎に憧れてしまうのは、その難しさを私たちが知っているからだろう。
鬼滅の刃は、ヒーロー活劇ではなく、竈門炭治郎の圧倒的な慈悲深さに裏打ちされた「救いの物語」なのだ。さて、どこまで興収を伸ばすのか。