M-1の思い出 相方が「ツッコまなくていいよ」と言い出した

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 内間です。つくづく、人生って嫌な状況になっても、意外とそれが良かった場合があると思います。

 今までいろいろありましたが、印象深いのが2010年のM―1グランプリです。それまでずっとコントばかりやっていてキングオブコント優勝を目指していました。しかし準決勝で敗退。これに懸けていたのに。

 それでやむなく苦手だと思っていた漫才のM―1グランプリに挑戦すると準優勝したのです。不思議ですね。それに「間」を使ったネタも嫌な状況から生まれました。もともと僕は、ダウンタウンの浜田さんみたいなキレキレのツッコミを目指していました。なので舞台では関西魂の沖縄なまりで勢いよく「なんでよー!」とツッコむ。自分でも違和感はあったのですが、ツッコミとはこれだ! と信じていました。

 当然、周りも違和感を覚えており、舞台で相方がボケてウケても、僕のツッコミでスベるというブレーキ的存在。その状況に相方は我慢の限界だったのでしょう。突然、舞台の本番中に、相方が僕の肩を両手で抱き寄せ、「もうツッコまなくていいよ。居酒屋にいる時の内間でいてくれ」。何を言ってるんだ……。でも、僕も限界だ。試してみよう。ネタ再開。相方ボケる。そして僕が、「………そうなんですか?」(会場爆笑)。嫌な状況にチャンスが潜んでるかもしれません。

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