コロナ禍に光る…仁左衛門と玉三郎の熟練された「恋模様」
かつて「孝・玉コンビ」としてブームを起こした2人の舞台は、他とは異なる空気感がある。劇の中の登場人物で舞台の上でだけの夫婦、恋人なのに、幕が開く前から何年も一緒にいたような雰囲気が漂う。
第3部は17代目中村勘三郎の33回忌追善で、その孫とひ孫たちが主役。中村七之助と長三郎で「奥州安達原/袖萩祭文」、勘九郎と勘太郎で「連獅子」。客席も盛り上がっていた。
勘太郎の「連獅子」は最年少記録だそうだ。立派につとめていたので、文句は何もないが、本来は大人の俳優2人が演じるもので、実の父子、しかも小学生の子が演じるものではない。挑戦するのはいいことだが、毛ぶりでは体をかなり酷使するので、見ていて心配してしまう。
「連獅子」もやはり掛け声がほしい。はやく収束してほしいものだ。
(作家・中川右介)