笑いを取る“間”は役者全員がうまい芝居運びをしなければ生まれない
伊東四朗生誕?!80+3周年記念公演「みんながらくた」、コロナ禍の中、粛々と千秋楽を迎えることができた。皆さまありがとうございました。
83歳の伊東さんは毎日元気に舞台に立ち、むしろ日に日に若返っていくようでもあった。その笑いは、動かずとも叫ばずとも面白いという、まさに柔道の三船十段の「空気投げ」のような境地に達していて、もはや名人の域、いや神の域であった。
千秋楽でもコロナ禍で食事はもちろん打ち上げもできない。いや終演後の楽屋でのささやかな乾杯も許されない中、マスク着用で距離を取り、小さく一本締めをした。伊東さんは一言「チームワークの勝利」と謙虚なお言葉。いやうれしい限り。
よく「あの役者は間が素晴らしい」という褒め言葉があるが、「間」とは一人でできるものではない。
喜劇の難しいところは実にここにある。
うまい間が取れるためには、その直前のセリフの役者が、相手がいい間で演じられるようにセリフを渡さなければならない。