バッハ会長の「誰もが犠牲を払わないといけない」に怒り
先週、世界中の独裁者たちはどいつもこいつも性悪な眼をしていると書いたが、日本の政治屋たちも見事に信用ならない眼だ。優しい眼はほんとに少ない。そう思っていたら、一昨年、スガ官房長官の後押しで経産大臣職就任1カ月余りで、地元選挙区へカネを配ったり香典も渡した容疑でクビになった某議員も、略式起訴されると「頃を見計らっていたか、うまいこと議員どもは辞職するもんだ」と知り合いが教えてくれた。
確かにうまい手口だ。6月1日まで辞めずにおとなしくしてたら国会の期末ボーナスもかっぱらうことができる。もらったのは月給以外に300万円余り。転んでもただでは起きない。呆れるばかりだ。もらえるはずの休業要請の協力金さえ振り込まれずに店を手放した人がたくさんいるのに、何という浅ましさか。何がボーナスは「返却いたします」だ。当然だ。廃業した店を訪ね回って、寄付したらどうだ。ニュースに出たその議員の眼もどうにも焦点が定まっていない、ウソくさい眼だった。
非合法時代の共産党委員長から右翼活動家に転じた田中清玄という大物が「政治家になるなら国になりきれ。石油屋なら油田になり、医者はバクテリアになりきれ」なんて言ったらしいが、今、一切の私欲を捨てて国会に出る議員などどこにいるんだか、だ。ちなみにそのフィクサーの顔は写真でしか見られないが、眼は腹の底を明かしてるようで、鋭かったな。