<9>相撲を楽しむ審判や判定の見方…行司差し違えが多いのはなぜか
今回は相撲を面白く見るために審判、判定についてお話しします。
先代増位山の親父も引退してから検査役、今の審判員を長くやりましたが、僕は貴ノ花さんと同じ年に辞めて1年間、相撲協会の記者クラブ付をやってから、同時に審判員になりました。
審判部には審判部長1人、審判副部長が2人、審判員は4班に分かれて序二段から幕内後半まで7つに分かれて、ローテーションで担当します。幕内後半、前半、十両以上は3班なので1班は交互に休む。1つの班には一門別に審判員が1人。幕内後半、前半、十両は審判部長、審判副部長が審判長を交互に務めます。
審判員同士の交流はなくて、自分の担当が終わったら帰るだけです。その日に十両とか幕内の後半がある場合は下の相撲の後、待って2回目をやってから帰る。
審判の心得としては相撲を見ないことです。見ちゃダメなんです。大切なのは土俵の下、足元を見ること。例えば、行司で陰になったら私らは行司を横によけて足を見ていました。それが最近は相撲を見ている。力士の足を見ていない。昭和の映像とかを見ると審判員はみんな足を見ていますよ。