<73>野崎幸助さんの不自然な死 不審な点があり解剖された遺体
Mは製薬会社の営業マンだったが、ドン・ファンに拾われて会社を手伝うことになった。しかし長続きすることもなく、その後は都内の弁護士事務所に雇われて、今も別の四谷の法律事務所で事務員として働いている。鼻の下にちょびひげを生やし、ドン・ファンの前ではおとなしいが、いないと自慢話ばかりする鼻持ちならないヤツだった。
「しかし、オヤジがぽっくりと逝くなんてなあ」
社長と親しいことを誇示するように「オヤジ」と人前では呼ぶが、ドン・ファンの前では社長と呼んでいた。(つづく)