杉咲花主演ドラマ「恋です!」から考える本当のバリアフリーとは
物質的な障壁をなくすことがバリアフリーなのではなく、障害のある人に対する無関心や誤解などを無くしていく「意識上の面でもバリアフリーを考えていく」ことがそれぞれに求められるという。
1960年代に北欧諸国から始まった「ノーマライゼーション」という理念がある。障がいのある人に普通を目指す努力を強いるのではなく、生活環境の側を変えることが必要だという理念だが、「意識上の面でもバリアフリーを考えていく」ことが体現されたものといえるだろう。
■100人いれば100通りあるバリア
この社会は「大多数=普通」という前提で作られており、だからこそ少数派は「生きづらさ」を感じることもある。
「目が見えることが普通な世界」で、ユキコは弱視で、白杖がないと生きていけない。一方、森生も顔に傷があるヤンキーというだけで社会からあぶれてしまい、「普通ではない」存在だと自覚している。
森生にとっての普通とは「学校へ行って勉強をしていること」であり、ユキコにとっての普通は「目が見えること」。この二人を見てもわかるように障がいのあるなしは関係なく、それぞれに大なり小なりの「社会に対するバリア(障壁)」が存在している。