深川麻衣の魅力と強みは「俯瞰力」 主演・助演を問わず作品内でベストな輝きを見せる
彼女に初めて取材したのは乃木坂46のメンバーだった頃だが、「自分を色にたとえると」という問いに「パッとした色ではなくて雰囲気の中に溶け込む色だと思うので、ベージュ」(日経BP社「日経エンタテインメント!アイドルスペシャル2015」2014年12月)と答え、今思うとそのとき既に、映画やドラマの風景になじんでストーリーの中でさまざまな色に変化することができる、女優向きの片鱗を見せていたのかもしれない。
素顔の彼女は、落ち着いていて、物事を俯瞰で見て冷静に状況を把握できる人だ。学生時代から俯瞰志向があったようで、「タレントパワーランキング」のウェブサイトで彼女にインタビューしたときに、「高校時代は駅からバスに乗って通ってたんですけど、後ろに誰もいなくて前を見渡せる一番後ろの列のはしっこによく座ってました」(アーキテクト「タレントパワーランキング」2018年2月20日配信)と語っていた。その後に乃木坂46という多くのメンバーがいる集団で過ごしたことで、俯瞰力がさらに磨かれたのだろう。
すぐれたプロサッカー選手は「俯瞰的視野」を持っているといわれる。それは、ビジネスマンにも当てはまる要素だ。
深川麻衣はその俯瞰力を発揮して、主演・助演のどちらのポジションにおいても、作品の中での一番効果的な輝き方ができる。今回のドラマで、受付嬢という前衛のポジションを演じる彼女が、どのようなキラリと光る存在感を見せるか、注目したい。