<103>事件当日の野崎幸助さんの電話記録をテレビで証言した「謎の男性」
あまのじゃくの彼は同情を引くために「もう体がダメなんです」「死んでしまいたい」というセリフを使うことは珍しくなかったが、それが本音ではないことは私もマコやんも十二分に分かっていたので、「ああ、そうですか」と見透かした返事をするのが常だった。まともに受け止める人は周囲にいないのに、それを知ってか知らずか、テレビはそれほど親しくない人の証言を重大な事実が含まれているかのように報じたりしたのだ。
当時、私は田辺市内のビジネスホテルに宿を取っていたが、部屋のテレビには当然のことながら録画機能は付いていなかった。そこで私は市内の家電量販店に車を飛ばし、32型の液晶テレビと録画機を購入してきた。仕事を終えて部屋にきたマコやんと2人で、その日のドン・ファンの放送をチェックするようになったのである。 =つづく