オズワルドはM-1に優勝できなかったことがさらなる実力をつけてくれる
3年連続「M-1」決勝進出。昨年はファーストラウンド1位通過で、最終決戦では錦鯉に優勝をさらわれましたが、堂々の準優勝。関西の劇場で標準語(関東弁?)の漫才というかなりのハンディをものともせず、「第42回ABCお笑いグランプリ」(2021年)では関東のコンビとして初優勝。今や押しも押されもせぬ実力派です。
「M-1」本番2日前、1本目のネタを見る機会があり、「あれでいこうと思いますがどうでしょうか?」と聞かれました。「大丈夫、1位通過、もう1本が同じレベルやったら優勝」と伝えました。
あるシチュエーションに入るいわゆる“漫才コント”ではなく、普通の会話から畠中君の異次元の価値観に引き込み、伊藤君の鋭いツッコミで自在に虚実を操るオズワルド。NSC東京時代は畠中君と伊藤君はコンビではなく、生徒としても特に印象に残っていることもありませんでした。それが「オズワルド」を結成してからメキメキ頭角を現していきました。
いつも「コンビは縁のもの」と言っていますが、相方が変わるだけで激変する相性の良さは「縁」以外に考えられません。古くは「やす・きよ漫才」の横山やすし・西川きよし。やすし師匠は天才漫才師と呼ばれながらも、3人目の相方・きよし師匠とコンビを組むまでは鳴かず飛ばず。それが「やす・きよ」になるやいなや飛ぶ鳥を落とす勢いでスターの階段を駆け上られました。オズワルドも、2人がかみ合うことで個性が生かされ相乗効果を生んで何倍にも大きくなったのだと思います。